オキンマラと雹よけの粥かき棒
どんな伝承か
川和部落では、一月十四日の物づくりの日に、薪ほどの太さの丸木を二尺ばかりに切って男根をかたどり、道祖神に供える。一方の端は皮を少し残して亀頭の形にし、残りは皮を削る。土地ではこれをオキンマラ、あるいはドウロクジンのヒヨーケ神と呼ぶ。材には、オカッドやヌデンボー、山桐とも呼ばれる軽い木を使う。男根は豊作を願う呪いだが、この日にはさまざまな農具の形も作り、そのうちの粥かき棒は一年間神棚に上げておく。雹が降りそうなときには棒の先に火をつけ、呪文を唱えながら高く投げ上げれば雹害を免れるという。
原典より
この日作った「粥かき棒」は雹害の恐れの時に、棒の先に火をつけて投げればのがれるという。—— 群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書)
『群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異』は、上野村で行われた民俗調査の報告のうち、聞書と俗信の部分を収めたものである。川和・住居附・野栗・奥名郷・勝山・野栗沢などで聞いた講、病気の呪い、雨乞い、禁忌と兆、山の神とオコジョ、オサキや狐つき、狐やむじなに化かされた話、一ツ目入道や山姥を、話者や部落名を添えて記す。上野勇の聞書と、昭和二十三年に東部の部落を調べた関口正の報告が入り、井田安雄の「乙父の民俗」は書き出しだけが載る。