切れば病む道祖神境内の立木
どんな伝承か
村には家ごと、集落ごとにさまざまな禁忌が残されている。天辺に伝わるのもその一つで、道祖神の境内に生えている立木を切ると、切った者は病みつくといわれてきた。ある人などは亡くなったとき口が曲がっていたと語られ、それゆえ誰も木に手をつけようとしない。似た禁忌は近隣にもあり、上勝田や馬渡の八坂神社のある地区では胡瓜を食べず、下勝田では牛を飼わず、飯塚では白い生き物を飼わないとされた。いずれも神の機嫌を損ね、神の御座所を汚してその怒りに触れまいとする心が生んだものだろうと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。