不浄と流された髪が名づけた毛長沼
どんな伝承か
新里町の毛長神社については、毛長沼という名の起こりを語る言い伝えもある。社の御神体は、もとは箱に納められた髪の毛だった。ところがいつのころか、こうした汚れたものを神として祀るなどもってのほかだと言い出す者がいて、大水が出たおりに、その髪を沼へ流して捨ててしまった。髪の流された沼こそが毛長沼なのだという。『新編武蔵風土記稿』にも、昔は箱に入れた髪を神体としていたが、不浄だとして毛長沼に流したと土地で伝えている、との記述が見える。
原典より
毛長神社の御神体は箱に入った髪の毛であったのを、いつのころか、ある人がこのような不浄な物が御神体であるとはとんでもないことだといって、出水の際にこれを流し捨ててしまった。—— 草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市史民俗編のうち「二 伝説」の章である。地名起源・塚・神々・地蔵・薬師・観音・その他の神仏・旅の僧・動物と妖怪の九節で、柿木や青柳の地名の由来、毛長神社の御神体、疣地蔵や火あぶり地蔵、雨乞いの龍、むじな大尽などを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の伝えによって記す。第十節「世間話」は狐・むじな・狸・雷獣の聞き書きを集め、話ごとに町名と話者の頭文字・生年を添える。