祀り直しを求めた山之腰の白蛇
どんな伝承か
昭和三十年ごろ、宇福寺と山之腰の境にあった小さな森が伐り払われ、開墾された。森には小さな社が残っていた。ある日その前を通りかかったムラの者が、白い蛇が鎌首を立て、赤い目を光らせて社を守るように構えているのを見た。別のときには子蛇を二匹連れて横たわっていたともいう。気味悪がった人々が祈禱師に拝んでもらうと、白龍の霊が祈禱師に憑いて口をきき、粗末な場所に置かれているが立派に祀り直してくれるなら地区の発展に力を貸そうと告げた。やがて土地改良を機に今の場所へ移され、山越白龍大善神として信仰を集めている。
原典より
昭和三十年ごろ、宇福寺と山之腰の境の小さな森を伐り払って開墾した。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町が編んだ町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節を大字ごとの十九項に分けて並べ、五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。