七月に茄子を植えぬ
どんな伝承か
全国各地の農事にまつわる禁忌を集めた事例集の中に、新潟県聖籠の農家の言い伝えとして「七月に茄子を植えぬ」という第二十九例が記されている。同じ並びには茄子を北枕や三筋に植えると悪いという和歌山の例も挙げられており、著者はこの例について、七月に茄子を植えることは普通ないという点で、経験に基づいた合理性のある禁忌の一つだと論じている。
原典より
三月縁組をするとわるい・・・・・・愛知(農) 岡山(農)二月十六日は木を切らない・・・・・・秋田(農)海女が海へ出る時もし十月十八日に沖へ出て死んだというとそ の日は沖へ出ない・・・・・・新潟(漁)夜口笛を吹くと盗人が来…—— 日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。