土用の牛蒡は葬式の牛蒡
どんな伝承か
全国の慣習調査で報告された農作物にまつわる言い伝えの一つに、新潟県聖籠村の「土用に牛蒡を蒔くと葬式の牛蒡になる」という禁忌がある。牛蒡の種蒔きは本来春にするものとされ、時期外れの土用蒔きを戒めるために、人が忌み嫌う「葬式」という言葉を結びつけたところに、この俗信の飛躍がうかがえると分析されている。同様に茄子を七月に植えない、小豆を畦に植えないなど、作物ごとに時期や場所を戒める言い伝えが各地から報告されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。