灰の中の焼き餅
どんな伝承か
欲張りな和尚は、いつも小僧を使いに出しては留守に餅を焼いて食べていた。土用の晩、また使いに出された小僧は、行くふりをして物陰から和尚が餅を焼くのを見張った。餅が焼けた頃、何食わぬ顔で戻ると、和尚は慌てて餅を火鉢の灰の中に隠した。『えらく早いがどう行ってきたのだ』と問われた小僧は、『こうしてこう行きました』と火箸で灰をほじくり、道順を示すふりをして灰の中の餅を全部見つけ出し、食べてしまったという。
原典より
すると小僧は、「ここからこうしてこうして行きました」と火箸で灰をほじくり、灰の中の餅を全部捜し出して食べてしまった。—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。