雪に埋もれた目印と小僧の歌
どんな伝承か
和尚が囲炉裏で餅を焼き、熱いのでフーフー吹きバタバタとはたく音がするのを、小僧が障子の隙間からのぞいて見ていた。和尚が出かけた後に探すと、餅は外の土の中に隠され、目印の棒が立ててあった。ところが雪が降って棒が見えなくなり、小僧は「しるしの棒も見えなけれども何とかの餅はどこにいるやら」と歌を詠んだ。和尚に「よい歌ができた、もう一度言ってみろ」と言われたが、隠し餅とは言えないので「しるしの棒も見えなけれども二人の親はどこにいるやら」と詠み替えてごまかしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。