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馬の手金を女の借金に回した熊

所在地千葉県成田市
年代大正期
登場長松、三治、岩淵熊次郎、荷馬車挽き(鬼熊)
出典奇談全集 現代篇

どんな伝承か

熊は長松と二日ばかり本大須賀村に留まり、女を迎えるには百円の金がいると考えた。津島政吉から馬の売却を頼まれていた熊は、その馬を三百円で三治に買わせて手金百円を出させ、それを流用して女の許へ通う。長松を連れて再び本大須賀村の女のもとで飲むうち、女の借金と二人の飲み代で百五十円ほどになり、不足分は長松の書いた証書に捺印して工面した。やがて馬の受渡しの期日が来ても品が揃わず、三治は騙されたと騒いで告訴すると言い出す。兄の岩淵清次郎が百円を弁償して事なきを得たが、その紛争の最中に女はまた逃亡し、熊は再び狂乱した。

原典より

女を迎ひに往くには百聞の金がなくてはならなかった。—— 奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集)

『奇談全集 現代篇』は、田中貢太郎が幕末から大正にかけての事件や奇談を読み物に仕立てた作品集である。明治十一年に相模の真土村で起きた松木騒動、大正十五年に千葉の久賀村一帯で起きた鬼熊の事件、香取郡の連続殺人、伊賀上野の破獄、京都の天誅などを、記録や関係者の話をもとに描き、松木騒動には筆者が大正六年に現地を訪ねた補遺を付す。播磨屋橋遺聞のように、筆者自身が創作と断る話も含む。

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