南町の紺屋で働いた与三郎の実像
どんな伝承か
歌舞伎の「与話情浮名横櫛」は、長唄の唄い手四世芳村伊三郎が素人時代に木更津で博奕打ちの妾と通じ、露見して無残に斬られながらも命を拾ったという講釈をもとに、三世瀬川如皐が仕立てたものだという。与三郎のモデルは大網白里の清名幸谷に生まれた中村大吉で、木更津へ出て南町の島屋という紺屋で型付職人をしていたと伝わる。お富は茂原の生まれとする説もあるが定かでない。世話になっていた旦那は建干網の網元、坂木の源次という男だった。二人は後に結ばれて幸せに暮らしたといい、墓は南品川の寺にあるが、与三郎の墓と称するものは県内にも複数ある。
原典より
歌舞伎世話物「与話情浮名横櫛」で広く知られているこの芝長唄の唄い手四世芳村伊三郎が、まだ素人で木更津に遊んでいた頃、そこの博奕打ちの妾と密通したことが露見し無惨な斬られかたをしたが、不思議と命拾いをして江戸に出た、という…—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。