灰の縄の難題を解いた捨てられた親
どんな伝承か
昔は親が六十になると姥捨山へ捨てねばならず、ある家でも親を捨てていた。そこへ殿様か役人から、灰で縄をなって持ってこいという難題が村に出された。灰で縄はなえず困り果て、これは親に聞くほかないと姥捨山へ行って尋ねると、親は、灰で縄はなえないから、縄をなってから燃やし、形を崩さずにそのまま持っていけばよいと教えた。そのとおりにして差し出すと褒美をもらえた。年寄りは若い者の知らないことまで長年の経験で心得ているのだから大切にせねばならないとなり、それからは年寄りを捨てなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。