四足の肉を炉にかけて招く時化
どんな伝承か
文部省の迷信調査協議会が昭和二十一年に全国の小学校を通じて集めた慣習調査で、秋田県の漁村として選ばれた山本郡岩館小学校の区域から報告された俗信。四足の肉類を炉にかけると時化に会うという。同書はこれを漁業に関するもののうち天候関係の第四十七例に挙げ、沖で口笛を吹くと風が吹く青森県八戸、梅干の種を海へ落とすと海が荒れる石川県七尾、水死人があがらぬと海が騒ぐ和歌山県宇久井などと並べている。そして七例のいずれも前提と結果の間に合理的な因果関係を認めることはできないとしている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。