山姥とおじいさん
どんな伝承か
騎西、いまの加須市騎西に伝わる昔話である。原典の概説によれば、山の怪物である山姥におじいさんが連れ去られそうになり、ウツギと藤つるにつかまって難を逃れたという。この話の落ちは、四月八日にウツギと藤の花枝を軒に挿す行事のいわれを説くものになっている。編者は山姥を山霊あるいは死霊が妖怪化したものとみて、注目すべき伝説だとしている。なお同じ騎西の地には、端午の節句にヨモギとショウブを軒に挿すいわれを説く「名主の娘と沼の主」の異類婚姻譚も伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史)
『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』は、騎西町が編んだ町史民俗編のうち、方言一覧の末尾と第9章「伝説・昔話」を収めたものである。調査協力委員や地域の老人クラブを通じて集めた二十八話で、久伊豆明神(玉敷神社)の獅子、雷電社の雨乞い、和尚の説話、いぼとり地蔵、入定塚、念仏橋、狐やムジナに化かされた話などを、話者名や郷土誌の出典を添えて載せる。章のはじめに伝説と昔話の違いを述べ、神社・寺堂・塚と橋・行事のいわれ・妖怪談の五節に分ける。