出家した夫に会えず身を投げた小太郎渕
どんな伝承か
判形地区を流れる名久田川に小太郎渕という渕がある。昔、戦に出た夫を追って、あるお姫様が子の小太郎を連れてやって来た。ところが夫は仲間の武士たちに遅れを取ったことを恥じ、頭を剃って泉照寺の僧になっていた。お姫様が会おうとしても、仏門に入った身だからと会ってくれなかった。お姫様は泣く泣く小太郎を連れてこの渕に身を投げて死んだ。連れていた子の名にちなみ、渕は小太郎渕と呼ばれるようになったという。
原典より
お姫様の連れてきた子供が小太郎というので、その渕を小太郎渕というようになったという。—— 高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書)
『高山村の民俗――昔話』は、群馬県民俗調査報告書の第二十一集から、年中行事の末尾と「口頭伝承」の部を収めたものである。口頭伝承は昔話・伝説・世間話の三つに分け、桃太郎・蛇婿入り・食わずの女房などの昔話、弘法の投筆や椀貸の渕・小太郎渕の伝説、怪力の馬之丞やアズキトギ・見越シ入道・かくしばあさんの世間話を載せる。各話の末尾には、中山字原・尻高字熊野・北之谷などの採録地と話者を添える。