天ぷらを供えて栄えるという聖天の札
どんな伝承か
下斎田で語られた現世利益の言い伝え。妻沼の聖天様から札を受けてきて、天ぷらを油で揚げて神棚に供えると財産家になれるという。実際にそのとおりにしてみた家があったが、明治の末年にはつぶれてしまった。結局は自分で稼がなければならない、というのがこの話の落ちだと語り手は結んでいる。同じ聞き書きには、旅僧を馬上のまま通ったといって斬った家に不幸が続き、不動様を祀ってから収まったという矢島の話や、村はずれのオサキ使いの家の前を通るときは唐辛子を持って行ったという宿横手の話も並んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話(群馬県民俗調査報告書 第20集・群馬県民俗調査報告書)
『高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話』は、『群馬県民俗調査報告書』第二十集『高崎市東部地区の民俗』のうち、口頭伝承の章である。榛名湖に入って蛇となった木部姫、弘法大師の七つ井戸、慈眼寺近くの餓鬼坂、オサキ使いの家などの伝説と、うばすて山や和尚と小僧、火の玉や死の予兆の体験などを、話者の地区名を添えて収める。伝説・昔話・命名・諺の項に分け、村の姓やあだな、農事や天気にかかわる諺も採録している。