湖底を掃除する腰元の蟹
どんな伝承か
榛名山のふもとでは、高崎の木部町から来た姫が沼に入って蛇になったと語られる。付き添った腰元たちも蟹に姿を変え、いまも湖の底を掃除しているので、山の中でありながら榛名湖には木の葉が浮かばないという。木部神社の祭礼は五月二十日で、その日は木部町の人々が榛名まで出向いて祭りに立ち会い、重箱に詰めた赤飯を湖へ投げ入れて蛇に供えた。榛名湖の水は室田の長年寺の井戸に通じているとも伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。