宝珠禅寺を開いた田原藤太秀郷
どんな伝承か
赤堀の郷今井邑にある如意山宝珠禅寺は、天慶二年の草創で藤原氏が開いた霊場だと縁由は説く。開基は河内守藤原村雄の嫡男で、大和国田原に生まれたので田原藤太と呼ばれた秀郷である。秀郷は近江にいたころ、勢多の橋に横たわる大蛇を臆せず踏み越えた。大蛇は竜神の化身で、その剛勇を見込んで年来の仇である大百足の退治を頼む。秀郷は竜宮に招かれて百足を射止め、礼に尽きせぬ俵を贈られて俵藤太とも呼ばれた。のち下野に住み、天慶三年二月に将門を討ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。