旗竿が根づいた桜の大樹
どんな伝承か
常陸太田の瑞竜、花ノ木と呼ばれる地に伝わる話である。源義家が奥州からの帰りにこの地へ陣を敷き、兵と馬を休ませたという。出発するとき、義家は旗竿をそのまま残して去っていった。竿は地に差さったまま根を生じ、翌年の三月には桜の花を咲かせたという。やがてその竿は育って、今のような大樹になったのだと語り伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。