乙女の謎かけと歌問い川
どんな伝承か
西行が奥の細道の近道だというので片品を通ったときのこと。橋のところに、藁を腰につけ鎌を持った乙女が立っていた。西行が何をしているのかと尋ねると、乙女は、冬に生えて夏に枯れる草を刈りに行くのだと答えた。さすがの西行もその謎が解けず、わけを尋ねると、乙女はムギを刈りに行くのだと明かし、西行はようやく合点した。西行が歌を問うたというので、そこの川を歌問い川と呼ぶようになったと伝えられている。
原典より
<柳田 「戻橋」>むかし、西行が奥の細道の近道だというので、片品を通った。—— 日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。