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名馬里が淵の龍の子を宿した馬

所在地茨城県高萩市大字中戸川(名馬里が淵)
年代伝承(口承)
登場龍・名馬
出典日本伝説大系 第4巻

どんな伝承か

名馬里には滝があり、昔は水が豊かで木が生い茂り、滝壺へは近寄れないほどの難所で、龍が棲むと言い伝えられていた。滝のすぐ向かいには数軒の家があって馬を何頭も飼い、昼は山へ放して夜連れ戻していたが、放した馬はどうしても滝へ行ってしまう。やがて一頭が龍の子を宿し、生まれた牡馬は見事な名馬になった。ふつうの馬なら厩栓棒を渡せば出られないのに、この馬は棒の上に尾を絡めて寝るほどで、いくら細かく棒を渡しても抜け出してしまう。このまま生かせばどんなものになるか分からないと恐れて殺したところ、その晩か翌日か大暴風が起きて、数軒の家は一夜のうちに流された。流された人々が住み着いたのが、下の秋山という村だという。

原典より

<柳田―「馬取淵」「葦毛淵」〉名馬里に滝があんですが、昔は水があって木が生い繁っていで、滝壺さ行げねえようにすごい所だったんだと。—— 日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。

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