柿の木の下で拾われた童子人丸
どんな伝承か
小野に語家命という民が住んでいた。ある日、屋敷の後園にある柿の木の下で一人の童子が遊んでいたので素性を尋ねると、父も母もなく敷島を知ると答えた。語家命はこの子を引き取って育て、その子がのちの人丸である。人丸は成長して都にのぼり天皇に仕えたが、四十二、三歳の頃に石見へ下って世を去った。いま柿本神社に祀られているのが、その人だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。