八流の磯に点々と残る一本足の跡
どんな伝承か
高知県安芸市八流磯の海岸には、杖でついたような丸い足跡が等間隔に連なって残るという。直径三センチほどのその跡は、波が洗い流してもまた現れ、誰ひとりその正体を見た者がいない。祖父の代からずっと「一本足」と呼ばれ、夜中に現れるものと語り伝えられている。かつて貝を採りに大勢の人が浜へ来ていた時分にも、その足跡の主を見た者は一人もいなかったという。
原典より
<柳田―「片目神」>それはちょうど杖で突いたような跡じゃあねえ。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。