遍路が行き当たった盲人岩
どんな伝承か
高知県安芸市畑山の盲人岩には、目の見えない遍路の手の跡がくっきりと残っているという。祝い谷の堰堤から二十メートルほど下、川の真ん中に小高い所があり、そこにこの遍路を祀るお堂が建っている。どれほど大水が出ても流されなかったと語られる。その昔、盲目の遍路が村を通りかかり、大栃の巻山へ越す道を土地の者に尋ねた。遍路が大金を持っていると知ったその者は、わざと違う道を教えた。遍路は祝い谷へ迷い込み、岩に突き当たって動けなくなり、助けも求められぬまま野垂れ死にした。以来この岩は盲人岩と呼ばれ、後には目の悪い人に御利益があるとされ、多くの盲人が拝みに訪れて目を治してもらったという。
原典より
<柳田——「座頭岩」>その岩へは、目の見えんお遍路さんの手の跡が、こうくっきり付いちゅういうがねえ。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。