踏切の崖に並ぶ古い石仏の列
どんな伝承か
木野村の北の方に踏切という大きな切通しがある。その岸の北と南に向かい合った崖を登ると、一尺四、五寸ほどの石仏が並んでいる。南側に二十五体、北側に二十二体が崖の上に据えられており、たいそう古い物と見える。里の者はこれを、米原長者の昼飯を運んだ婢女の姿を彫ったものだと言い伝えている。しかし筆者は、いかにも可笑しな説だと退けている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。