子守歌が明かした飛羽と三人の子
どんな伝承か
天からアムリガー(天降子)が降りてきて、チリという川で水を浴びていたところ、通りかかった百姓が天人の飛羽を見つけて奪い取り、無理に連れ帰って自分の妻にした。二人のあいだに三人の子ができ、兄が七つ、姉が五つ、妹が三つになったとき、兄が末の妹を負ぶって、母の飛羽は六つ股御倉の下、四つ股御倉の下と子守歌に歌った。それを聞いた母は飛羽のありかを知って身に着け、三人の子を抱いて天へ飛び昇った。天は昔とすっかり様子が変わって天人の住居がなくなっていたので、三人の子にそれぞれ職を与えて地上へ下した。兄はトゥキ(占者)、姉はヌル(祝女)、妹はユタの初めになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。