烏帽子の名を負うエボシ川の天女
どんな伝承か
『琉球国由来記』巻十四が記すエボシ川の由来。御イベの神名を、君が御水、主が御水という。昔、古波津村に古波津爾也という者がおり、その畠の中に泉があった。耕すたびに茅で作った烏帽子をかぶせて置き、必要なときに使ったので、烏帽子の名をとってエボシ川と呼ぶようになったという。この井に天女が降りて水浴びしているのを古波津爾也が見つけ、飛衣を隠して夫婦の約束をさせ、やがて二人の子をもうけた。子らが遊びながら、飛衣は稲束の下にあると歌ったので、母はそれを聞いて稲束の下から取り出し、身につけて二人の子を両脇に抱え、天へ昇ってしまったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。