沖永良部島の世の主がなしと宝刀
どんな伝承か
沖永良部島の王・世の主がなしの由来を語る話。約六百年前、北山王のもとに貢物を届けたぬる(女神官)が、姪にあたる美しい少女を連れて行ったところ、北山王がその娘を見初めて妻にした。妊娠した娘はエラブ島へ里帰りしようとしたが、シニグイ祭りの年で妊婦の上陸を各港で断られ、ようやく沖ドマリ港に上陸し、付近の畑の隅で男児を出産した。この子が世の主がなしで、生まれた場所は現在の下城部落内にあり、当時のカマド石は今も保存され、その跡地には世の主神社が建てられて祀られているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。