水鏡で王子と認められた世之主
どんな伝承か
ウキヌルは西目ヌルに付き添われ、貢物を持って沖縄へ渡った。中山王はその美しさにひかれ、グサラン城に幽閉して意に従わせた。三年の寵愛を受けて身ごもり帰島する途中、屋子母沖で陣痛が起こって田皆に上陸したが、ミイグスの家では初穂祭のアラマチ、フーマチが済んでいないと断られ、やむなくキューマ屋敷で産んだ。家に帰ると長兄に旅の人の子であろうと勘当され、イキグスク屋敷に小屋を建てて住んだ。子は七歳で父を尋ね、玉水の井戸の水鏡の裁きで中山王の子と認められ、帰島して世之主になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。