動かなくなった折居の阿弥陀
どんな伝承か
韮崎市清哲町折居の雨宮寺の境内には阿弥陀堂があり、本尊は六尺ほどの木造の阿弥陀如来で、春日の作と伝えられる。数百年前、ある旅僧がこの阿弥陀を盗み出したが、区内の村上まで来たところで日が暮れ、疲れ果てて腰を下ろした。ひと息ついて背負い直そうとすると、重くてどうにも動かない。やむなく一夜を明かし、翌朝また運ぼうとしたが、前日にも増してびくともせず、僧はとうとう如来を捨てて逃げ去った。見つけた村人は「もったいない」と、いまの雨宮寺の境内に堂を建てて安置した。阿弥陀が捨てられていた場所はのちに開田されて阿弥陀面と呼ばれ、そこで採れた穀物を供えて、年ごとに供養が続けられたという。
原典より
雨宮寺境内に阿弥陀堂があり、本尊は六尺ばかりの木造の阿弥陀如来で、春日作と伝えている。—— 韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年))
『韮崎市の民話伝説』は、韮崎市教育委員会が昭和四十二年に発行した民話・伝説集である。韮崎・円野・中田・穴山・藤井・神山・穂坂・清哲・旭・大草・竜岡の十一町で民俗資料調査員が集めた百六十八話を収め、武田信玄・勝頼や鎮西八郎為朝、弘法大師の話、山の神のたたりや化かされた話などに話者名や『裏見寒話』などの出典を添える。巻頭に昔話と伝説の解説を置き、本文を木・石・水・塚・坂峠・山・谷沢・屋敷跡城址・祠堂・その他の十部に分ける。