長者の娘お寅を供養する寅御石
どんな伝承か
蓮田市馬込の墓地には延慶四年の板碑があり、寅御石の名で知られている。この土地の長者の娘お寅は美しく、多くの男から求婚されたが、思いあまって自ら命を絶った。父の長者は求婚者たちを招き、娘の肉を料理して食わせたという。寅御石はその供養のために建てられたものと伝えられる。大宮市丸ヶ崎の子膾社はお寅の霊を祀った社といい、深作の皿沼は膾の皿を洗った所、膳棚橋は膳椀が流れ着いた所と語られている。
原典より
蓮田市馬込の墓地に、延慶四年(七八五)の板碑があって、寅御石という名で知られている。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年))
『武蔵の伝説』は、大島建彦と渡辺千佳子が昭和五十一年に著した伝説集である。埼玉県・東京都と神奈川県の一部にあたる旧武蔵国の伝説を、地誌・紀行・社寺縁起・区市史や『埼玉県伝説集成』などの文献と土地の口碑から集め、項目ごとに出典を添える。『日本伝説名彙』の六部門に家・村と祭礼・行事を加えた八部に分け、巻頭の「はじめに」で伝説の分類の方法を論じている。