元日に米を磨ぐ音がする弁財山
どんな伝承か
安宅町の海辺にある山を弁財山という。この浜で使う大和形の船を弁財形と呼び、山の姿がその船に似ているためについた名だと伝える。昔、浦で修理中だった千石船が津波に押し上げられ、砂に埋もれてそのまま丘になったのがこの山だという。船にいた炊夫も一緒に埋もれ、その執念が残ったため、元日になると米をとぐ音が今も聞こえるとされる。椀貸しの伝説も語られる山である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。