もらい湯の帰りに挨拶してきたガタロ
どんな伝承か
昭和19年5月頃、郷里へ里帰りした玉井義明(当時7歳)は、叔母と隣家へ貰い風呂に行った帰り道、暗がりで非常に痩せた子供に出会った。相手が「コンバンハ」と挨拶してきたので、叔母に促されて自分も「コンバンハ」と返すと、その子供も「コンバンハ」と返してきた。後で叔母から「あれは河童のガタロさんや」と聞かされ、恐ろしくて胸がドキドキしたという。昼間はめったに姿を見せないが、夜になるとうろつき、挨拶をしないと後をついてくるとされていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。