梁の帰り道に現れたざんぎり頭の小僧
どんな伝承か
山形県東置賜郡高畠町露藤での話。今から七十年ほど前、露藤の我妻彦右ヱ門が夏の日に天王川へ梁を仕掛けたところ、夕方からの雨で川が濁り、魚が次々と梁へ落ちて大漁になった。増水を恐れて帰路につくと、真っ暗な道に髪をざんぎりにした三尺ほどの小僧が現れた。声をかけても答えず、追えば鳥のように速く逃げ、止まればまた止まる。小石を投げると萱野に隠れた。気を取られるうちに獲った魚を半分落としており、人々は河童だろうと言い合ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。