難産知らずと伝わる川原子地蔵尊
どんな伝承か
高畠町和田の川原子に祀られる地蔵尊は、婦人病や産後の患い、子育てに霊験があるとされ、近在はもとより村山方面や福島・宮城からも参る人があった。参詣者には別当の常照院が出す守り札が配られた。祭りはかつて旧暦六月二十三日の夜で、オミサカは人で埋まり歩けないほどだったという。堂に上げた灯明の燃え残りを持ち帰り、産のときに灯すと、燃え尽きるまでに無事に生まれるといわれた。この集落に難産がないのは地蔵のおかげだとされ、足が丈夫になるようにと子ども用のわら草履も数多く奉納された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。