追い兼ね橋と渡会家の鬼女
どんな伝承か
渡会安宣は源義家の奥州征伐の際に自害した。妻は遺言に従って民家に隠れ、息子の弥三郎を育てる。成人した弥三郎が妻と母をおいて諸国行脚に出た留守中、村に疫病がはやって妻子は死に、母は苦しみのあまり鬼女となった。母は渡会家再興の資金のため、白い狼を使って旅人の金品を奪うようになる。帰ってきた弥三郎を息子とは知らずに襲うと、弥三郎は川端の杉の木に登り、追ってくる鬼女の右腕を切り落とした。逃げる鬼女を追ったが見失ったので、ここを追い兼ね橋という。家に戻ると母が臥しており、腕を見せると鬼女に変じて腕を奪い取り、雲に乗って弥彦山へ飛び去った。弥三郎は母を妙多羅天として屋敷の一隅に祭ったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。