橋のたもとの老婆と狐三右衛門
どんな伝承か
高畠が織田家の所領であったころの話である。吉田三右衛門という侍が米沢城下へ出かけ、高畠から米沢へ通じる一本の街道の三つ目の橋を渡ると、たもとに一人の老婆が立っていた。娘が風邪で臥せっているので薬を買ってきてほしいと頼まれ、三右衛門はこれに応じる。やがて三右衛門は老婆の家へ通い、娘のナツと契りを結ぶようになった。ナツは、自分は殺されても契りを持てて幸せだった、吉田家をめちゃめちゃにしたことを詫びねばならぬと言う。翌晩訪ねると家は消えていた。三右衛門は武家を廃業し、子どもたちに狐三右衛門とはやされたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承