百日の行を経て神の嫁となる巫女
どんな伝承か
置賜では、人の知恵や努力ではどうにもならない病や失せもののとき、ワカと呼ばれる巫女のもとへ行って占ってもらい、死霊や動物霊、あるいは神そのものが憑いている場合には除霊の祓いを受けた。ワカは各村々にいたが数は少なくなり、高畠町泉岡のワカのもとには彼岸の中日に多くの人々が集まるという。ワカになるには十二、三才ごろから師匠につき、ボイレと呼ばれる弟子入りののち百日の行を積む。行には穀断ち・お火断ち・塩断ちがあり、古くは毎日水垢離をとった。神の嫁となって神憑きになる儀式をシメキリといい、シメを張った座敷で姉妹弟子が唱言を上げ、弟子が神憑きになるまで呪文が唱えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。