うなぎを断つ丑寅年の一代神
どんな伝承か
虚空蔵尊にかかわる禁忌に、虚空蔵尊を一代神とする人、すなわち丑年・寅年の人はうなぎを食べるなというものがある。白鷹町荒砥のあたりで言い伝えられていることで、家によっては当人だけでなく家族も食べないところがある。うなぎは虚空蔵尊のお使者だからだという。白鷹虚空蔵尊のお使者がうなぎであることは、この神が当然水とかかわるものであることを示しているから、山形市周辺の村々で水不足の年に白鷹山へ雨乞いをしたという事実や、江戸時代に上杉藩でも雨乞いをやったという記録も、なるほどうなずけるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。