二の声で下ろすヤマワロの木運び
どんな伝承か
芦北郡佐敷町田川の話。山で一日では片づきそうにない仕事があると、山の若い衆にでも頼もうか、と今でも年寄りたちはよく言う。ヤマワロに木運びを手伝ってもらうときは、下ろし方に気をつけねばならない。一、二、三の三まで数えていては遅く、二の掛け声で下ろす。ヤマワロは早々に肩を外してしまうからである。また加勢を頼むときに交わした約束は決してたがえてはならず、魚を一荷持ってくると言ったなら、小さな魚でもよいから二匹を別々にくくり、一荷にして届けなければならないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。