曲げ物の材を採る山で聞く天狗倒し
どんな伝承か
群馬県吾妻郡六合村の話。猟に行ったり、まげものの材料を採りに山に入った折に、のこぎりを引く音や木を倒す音を聞くことがある。天狗のわざだといい、話に聞いたという。『六合村の民俗』(群馬県教育委員会)に載る一条である。同村では天狗の太鼓の音は一本バチでポンポン鳴るとも語られ、岩菅山で大夕立のとき山小舎にこもっていたら羽音がして、目の光る七、八歳の子供ほどに見える天狗がいたという報告もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。