能山の空に響く神々の神楽
どんな伝承か
岡山県和気郡和気町の奥に能山という山がある。ここは十月に神々が出雲に集う道筋にあたるといい、神楽の音がよく聞こえるとされた。明治になってこの神楽を聞いた山形という男が、宮内省雅楽の掌典・宮地氏に相談したところ、最近亡くなった河野という者が神となって参加しているが、音が揃わないのはその者の失敗だろうと告げたという。話者は東京在住の知切光歳。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。