集金帰りの女を山で引き回した若い衆
どんな伝承か
行商の女が影野地へ集金に行った帰り、日が暮れて、竹屋敷の少し手前で真っ暗になった。周りに家はなく、提灯に火を入れようとマッチをするたびにぽっと消え、四回目にようやく灯った。暗い道を行くと後ろから若い衆が来て、どこへ行っていたのかと声をかけ、一緒に帰ろうと言う。心細いので連れ立って歩いたが、いくら歩いても古味に着かない。おかしいと気づくと竹屋敷の上の四辻に戻っていた。引き返したがまた山の中をぐるぐる引き回され、夜が明けるとタカノヒラという所にいた。やっと家に戻ると三日寝込んだという。
原典より
手平の短歌の先生とこへ行ったとき遅なってしもうてのう、先生に送ってもろうたんやが、あっこらさぶしいとこでのう、ドブのはたにお地蔵さんがあったんえ、そのお地蔵さんの一寸向うにうどんて書いた赤いちょうちんがつっちゃあって、そ…—— 現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))
『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。