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台風で流されたはずの橋が架かる帰り道

所在地群馬県吾妻郡中之条町
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典現代民話考 11 狸・むじな

どんな伝承か

回答者の母は群馬の山あいの村に生まれ、昭和二十二年ごろ女学校の三、四年生で、一里の山道を一人で歩いて通学していた。ある日の帰り道、急に妙な気分になった。途中の川に、先日の台風で流されたはずの橋が架かっていたのである。おかしいと思ったとたん言いようのない恐怖に襲われ、その場にしゃがみ込んだ。どれほどたったか、我に返るとあたりは暮れかけ、橋はもう見えなかった。代わりに猫とも狸ともつかない動物が、前足をそろえて後ろ足で立ち、こちらを見ていたが、すぐにいなくなった。母は今もムジナが化かしたと思っているという。

原典より

手平の短歌の先生とこへ行ったとき遅なってしもうてのう、先生に送ってもろうたんやが、あっこらさぶしいとこでのう、ドブのはたにお地蔵さんがあったんえ、そのお地蔵さんの一寸向うにうどんて書いた赤いちょうちんがつっちゃあって、そ…—— 現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))

『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。

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