入れば祟る竹の下の八幡知らずの森
どんな伝承か
竹の下の字狛畑にある小高い丘の上の小さな林は、八幡知らずの森と呼ばれ、土地の人は「たいしゃく様」と呼ぶ。その意味は伝わらず、帝釈天を祀ったものかも分からない。昔からこの森に入れば必ず祟りがあるとされ、村人は固く戒め合って誰も足を踏み入れないので、中の様子を知る者はいない。古戦場ゆえ戦死者の墓ではないかともいわれる。祟りを恐れて枯れ枝一本も採らず、近づく者もない。巨木はないが雑木と篠竹が密に茂り、陰惨な気配が漂うという。下総の八幡知らずの森とよく似た言い伝えである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小山町史 第9巻 (民俗編)(小山町史)
『小山町史 第9巻(民俗編)』は、静岡県駿東郡小山町の町史の民俗編から、口頭伝承の章の伝説の節を抜き出したものである。石子詰にされた忍びの若者・用沢小僧の伝えを出典ごとに並べ、むらの名の由来、金太郎ゆかりの地と石、仇討如来や鬼鹿毛馬頭観音、村境の決め方、竹之下合戦にまつわる伝えなどを収める。富士山麓と足柄山のあいだの町に残る、地名と社寺・石に結びついた言い伝えが中心である。