人の口を借りて好物をねだる狐
どんな伝承か
稲荷はウジガミとしてまつられているが、その使いである狐が人に取り憑くことがあったという。狐は人の尻の穴から腹の中へ入りこみ、その人の口を借りて、油揚げが食べたい、豆腐が食べたいなどと好物をねだるとされる。狐が遊びに出て体から抜け出してしまうと、憑かれていた人は死んだようにぐったりしてしまうといわれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。