手ぬぐいを鉢巻きにして踊る古猫
どんな伝承か
猫の寿命はふつう十年ほどだが、二十年、二十五年と生き長らえた年寄り猫がいた。この家では、風呂上がりに置いておいた手ぬぐいが、朝になるといつも汚れているので、家の者は首をかしげていた。のちになって、古猫が夜な夜な手ぬぐいをくわえて出かけ、鉢巻きにして踊り、帰ってくると汚れたままもとに掛けておいたのだと分かったという。尾の長い猫は化けるとされ、尾を地につけると後ろ足と合わせて三本足で立てるので鉢巻きができるようになる。そのため尾の長い猫は嫌われるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。