灰の縄で救われた母
どんな伝承か
昔は六十歳になると、年寄りはおば捨て山に捨てられる決まりだったという。ある孝行な息子は母を捨てることができず、縁の下にかくまっていたが見つかってしまった。どうしても捨てたくないと訴える息子に、殿様は灰で縄をなって持ってくれば許すと条件を出した。困った息子が母に相談すると、固くなった縄を塩水に浸してから焼き、そっと運べばよいと教えてくれた。その通りにすると見事な灰の縄ができ、息子は許された。このときから、年寄りは大切にしなければならないということになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。