火事から逃れて止まった観音
どんな伝承か
義満山のふもとの寺が火事になった時、村人たちが燃える堂から観音像を運び出し、肩の焦げた像を川べりに置いた。前夜からの大雨で川は見る間に水かさを増し、皆が火に気を取られているうちに像は流されてしまう。像は下流の大岩に引っかかって止まり、そこからこの辺りを留場と呼ぶようになったという。別の伝えでは、宝永年間に観音堂が燃えた時、天地が揺れて空に五色の光が走り、観音が飛び立って長床の大岩の下に止まった。二体の仁王像も後を追って走ったが、足を滑らせて川に落ち、やっとのことで観音のもとへたどり着いたと語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東根市史 別巻 上 (考古・民俗篇)
『東根市史 別巻 上(考古・民俗篇)』の伝説と民話の節を抜き出したものである。山形県東根市の藻が湖と東根・西根の地名、黒伏山の御穴と竜灯、御所山の天狗と甘露水、自牧寺の七妖怪と夢窓国師、マリア観音、若木神社の縁起、大滝の大カツラと乱川の起源、三ッ屋の竜灯や人形渕などの民話を、項目ごとの箇条で収める。