草津の母の夢枕に立った秦の始皇帝
どんな伝承か
一九八〇年二月十四日の深夜に著者の家が漏電で燃えたその晩、著者の両親はたまたま草津の温泉に泊まっていた。後で聞いた話では、火事が起きた夜半、母の夢枕に「秦の始皇帝」を名乗る人物が立ったという。母はそこで告げられた内容を葉書に書いて著者に送ってきた。文語などろくに知らないはずの母の文面は整った文語で、お前は秦家に力を尽くしてこなかったので身辺に余計なものがまとわりついている、雷となって軒を打った、といった趣旨だった。雷とは電気、すなわち漏電の火事のことかと思い当たり、著者は驚いた。著者の祖父は秦家から角田家へ養子に出た人で、父は火事の前にそのことを子どもたちに打ち明けていた。
原典より
そこで母は「秦の始皇帝」から聞いたことを葉書に書いて送ってくれた。—— 漂う霊があなたのまわりにいる(つのだじろう) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
漂う霊があなたのまわりにいる(つのだじろう)
『漂う霊があなたのまわりにいる』は、『うしろの百太郎』などのオカルト作品を描いたつのだじろうが、心霊現象を一般向けに解説した本である。自宅の火事など著者自身の不思議体験に始まり、守護霊・生霊・幽体離脱・念力・憑依霊・ポルターガイスト・除霊・交霊・輪廻転生などを、体験談と内外の事例を交えて説く。十二のLECTUREの間に「CLOSE UP」とコラムを挟んで恐山や狗神伝説、霊感の訓練法にも触れ、エピローグで霊との付き合い方を述べる。