真景累ヶ淵・お久惨殺
どんな伝承か
三遊亭円朝『真景累ヶ淵』によれば、豊志賀の恨みをよそに若い内弟子お久と駆け落ちした新吉は、松戸へ泊まった翌日、たんぼの土手道にさしかかる。おりしも夕立で辺りは真っ暗、そこでお久の顔が腫物でお化けのようになった豊志賀の顔にたちまち変わって見えた。恐怖にかられた新吉は夢中で鎌を振るい、逃げようとしたお久の喉笛を切ってしまい、お久は前へのめって息絶えたと語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の科学――幻覚の心理を探る(中村希明・中村希明・精神医学)
『怪談の科学――幻覚の心理を探る』は、中村希明が精神医学の立場から著した怪談の解説書である。新聞記事の幽霊騒ぎや体験談、民話の化かされ話、「浅茅ヶ宿」やハムレット、『四谷怪談』などの古今東西の怪談を取り上げ、その多くを高速道路催眠現象、感覚遮断、飢えや寒冷、睡眠や薬物による幻覚として説明する。生理的幻覚から精神変調時の幻覚までを四章で分析し、終章「怪談の論理」で恐怖と幻覚の仕組みと日本の幽霊の特色を論じる。